司法書士・行政書士・税理士の違い。合同会社の会社設立で誰に頼むかを解説
合同会社commit 合同会社FIELD共同編集部が編集しています。合同会社FIELDの関連会社である会計事務所および税理士法人と内容を確認しながら執筆しました。金額や期限は執筆時点のものです。

この解説は、合同会社の会社設立を専門家に頼もうと考えていて、誰に何を頼めばよいのか分からない人に向けています。士業には扱える業務の範囲が法律で決まっており、そこを知らないと見当違いの相談をすることになります。ここでは3つの士業の違いを整理し、自分の状況ではどこに行けばよいかを判断できるようにしました。
士業ごとに扱える業務が違うことを解説する

【ここでわかること】
法律で定められています。誰でも何でもできるわけではありません。
合同会社の会社設立に関わる士業は、主に司法書士・行政書士・税理士の3つです。それぞれ扱える業務が法律で定められています。
この区分を知らないまま相談に行くと、「それはうちでは扱えません」と言われることになります。逆に、区分を知っていれば、最初から適切な相手に相談できます。

| 士業 | 会社設立で扱えること | 扱えないこと |
|---|---|---|
| 司法書士 | 登記の申請の代理、定款の作成 | 税務の申告、許認可の申請 |
| 行政書士 | 定款の作成、許認可の申請 | 登記の申請の代理 |
| 税理士 | 税務の届出と申告 | 登記の申請の代理 |
| 弁護士 | 登記の申請の代理を含む幅広い業務 | — |
※金額と期限は執筆時点(2026年8月)の制度にもとづく目安です。最新の取扱いは所管官庁でご確認ください。
もっとも重要な点は、登記の申請を報酬を得て代理できるのは司法書士と弁護士に限られるということです。行政書士も税理士も、登記の申請そのものを代理することはできません。
「設立代行」の中身を確認する
設立代行をうたうサービスの多くは、複数の士業と連携して成り立っています。定款の作成は行政書士、登記の申請は司法書士、設立後の税務は税理士、というように分担しているのが通常です。会社設立を丸ごと頼むときは、誰が何を担当するのかを確認しておくと安心です。
※金額・期限は執筆時点(2026年8月)の制度にもとづく目安です。
出典(解説):リーパル会計事務所|会社設立を司法書士に依頼するメリット/リーパル会計事務所
司法書士に頼めることを、会社設立の実務から解説する

【ここでわかること】
登記の申請の代理が独占業務です。会社設立の中核を担えます。
司法書士は、登記の専門家です。会社設立の登記の申請を、報酬を得て代理できるのは司法書士と弁護士だけです。
合同会社の会社設立を丸ごと任せたいなら、司法書士が中心になります。定款の作成から登記の申請まで、一連の流れを扱えるからです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 登記の申請の代理 | 司法書士の独占業務です。申請書の作成から提出、補正への対応まで任せられます。 |
| 定款の作成 | 会社設立に必要な書類の作成を扱えます。電子定款の作成にも対応しているのが通常です。 |
| 設立後の変更登記 | 商号や本店の変更、事業目的の追加、社員の変更など、会社設立の後の登記も扱えます。 |
| 相談・アドバイス | 定款の条文をどう書くか、機関設計をどうするかといった相談に応じられます。 |
電子定款で会社設立をしたい場合、司法書士に頼むという選択肢が有力になります。事務所は電子署名の環境をすでに持っているので、紙の定款で必要になる収入印紙4万円が不要になります。
つまり、報酬から4万円を差し引いた額が、自分で紙の定款を作る場合との実質的な差になります。合同会社の会社設立では書類が少ないので、この差が思ったほど大きくならないこともあります。
司法書士に頼む利点は、費用の話だけではありません。補正のリスクが下がるという点も大きな価値です。日付の順序、押印の位置、添付書類の一致。慣れていない人が見落としがちな点を、あらかじめ潰した状態で申請してもらえます。会社設立の日程が決まっている場合、この確実さは金額に換えられません。
登記だけ頼むという選び方
すべてを任せるのではなく、登記の申請だけを頼むこともできます。定款は自分で作り、登記の申請だけ司法書士に頼む。あるいは逆に、定款の作成と電子化だけ頼んで登記は自分でする。合同会社の会社設立は工程が少ないので、こうした部分的な依頼がしやすい形です。
※金額・期限は執筆時点(2026年8月)の制度にもとづく目安です。
出典(解説):マネーフォワード クラウド会社設立|司法書士に依頼する費用【比較】/株式会社マネーフォワード
行政書士に頼めることを、会社設立の場面で解説する

【ここでわかること】
許認可の申請が中心です。定款の作成も扱えます。
行政書士は、官公署に提出する書類の作成と提出の代理を扱う専門家です。会社設立の場面では、許認可の申請と定款の作成が中心になります。
登記の申請そのものは扱えませんが、それ以外の部分では広く関われます。特に、許認可が必要な業種で会社をつくる場合、行政書士の役割が大きくなります。
| 許認可の申請 | 建設業、産業廃棄物処理業、人材派遣業、古物商、飲食店、旅行業など。業種ごとの要件に沿った申請を扱えます。 |
|---|---|
| 定款の作成 | 会社設立に必要な定款を作成できます。電子定款にも対応している事務所が多くあります。 |
| 入管への申請取次 | 外国人が会社をつくる場合、在留資格に関する申請を扱える行政書士がいます。 |
| その他の官公署への届出 | 各種の届出書類の作成と提出を扱えます。 |
許認可が必要な業種で会社設立をする場合、事業目的の書き方が要件になっていることがあります。書き方を間違えると許可が下りないので、会社設立の前に行政書士に相談しておく価値があります。
許認可には、会社設立の前に確認しておかないと取り返しがつかない要件もあります。事業目的の文言のほか、資本金の額、事務所の要件、常勤の役員や有資格者の配置など、業種によってさまざまです。会社設立を済ませてから要件を満たしていないと分かると、変更登記や増資が必要になります。
外国人が日本で合同会社をつくる場合も、行政書士の出番になります。在留資格の確認、経営・管理の在留資格の申請、必要書類の準備。入管業務を扱う行政書士に相談するのが確実です。
登記の代理はできない
行政書士は、登記の申請を報酬を得て代理することができません。定款まで作ってもらったあと、登記は自分で申請するか、司法書士に依頼することになります。多くの行政書士事務所は司法書士と連携しているので、そのまま引き継いでもらえることが一般的です。
※金額・期限は執筆時点(2026年8月)の制度にもとづく目安です。
出典(解説):第一綜合事務所|外国人が会社設立を日本で行う方法/行政書士法人第一綜合事務所
税理士に頼めることを、会社設立の前後で解説する

【ここでわかること】
税務の届出と申告。設立の前の相談も価値があります。
税理士は、税務の専門家です。会社設立の場面では、設立後の届出と、その後の決算・申告を扱います。
会社設立そのものの手続きは扱いませんが、設立の前後で相談する価値が大きい士業です。資本金をいくらにするか、事業年度をいつにするか、役員報酬をどう設定するか。これらの判断は税務に直結します。
| # | やること | 内容 |
|---|---|---|
| 1 | 設立前の相談 | 資本金の額、事業年度の設定、役員報酬の設計。会社設立の設計そのものに関わる論点です。 |
| 2 | 設立後の税務届出 | 法人設立届出書、青色申告の承認申請書、給与支払事務所等の開設届出書などを扱えます。 |
| 3 | 記帳と会計 | 日々の記帳を任せることも、自分でやって決算だけ頼むこともできます。 |
| 4 | 決算と法人税の申告 | 税理士の中心的な業務です。会計上の利益と税務上の所得の調整を扱います。 |
| 5 | 消費税とインボイスの判断 | 課税事業者になるかどうか、インボイスに登録するかどうかの判断に関わります。 |
特に価値が大きいのが、会社設立の前の相談です。資本金1000万円以上で会社設立をすると1期目から消費税の課税事業者になる、事業年度の置き方で1期目の長さが変わる、役員報酬は3か月以内に決めて期中は変えられない。こうした点を知らずに決めてしまうと、あとから直せません。
税理士のなかには、会社設立の支援をパッケージにしている事務所があります。提携する司法書士が登記を担当し、税理士が設立後の税務を担当するという形です。顧問契約とセットになっていることが多いので、条件を確認してから決めてください。
税理士に相談するタイミングとしては、会社設立を決めた直後がおすすめです。まだ何も動いていない段階なら、資本金も事業年度も自由に決められます。登記を済ませてから相談すると、「もう少し早く聞いてもらえれば」という話になりがちです。
合同会社の会社設立をしたばかりで取引が少ないうちは、自分で記帳して決算だけ頼むという形も現実的です。事業が大きくなってから顧問契約に切り替えるという順番でも構いません。
※金額・期限は執筆時点(2026年8月)の制度にもとづく目安です。
出典(解説):吉田一仁税理士事務所|合同会社設立の費用は?代行を依頼するべきか/吉田一仁税理士事務所
誰に頼むかを、状況別に判断する方法を解説する

【ここでわかること】
何を任せたいかで決まります。連携している事務所も多くあります。
自分の状況に当てはめて、どこに相談すればよいかを整理します。

| やりたいこと | 相談先 | 備考 |
|---|---|---|
| 登記を任せたい | 司法書士 | 独占業務。定款の作成も扱える |
| 許認可も取りたい | 行政書士 | 事業目的の書き方から相談できる |
| 税務まで見てほしい | 税理士 | 設立前の設計相談も価値がある |
| 外国人の会社設立 | 行政書士 | 入管業務を扱う事務所を選ぶ |
| 海外在住での設立 | 司法書士 | 本人確認の代替方法などの確認が要る |
| 費用を最小にしたい | 自分でやる | 登記の相談は法務局の窓口が無料 |
※金額と期限は執筆時点(2026年8月)の制度にもとづく目安です。最新の取扱いは所管官庁でご確認ください。
実際には、多くの事務所が他の士業と連携しています。司法書士事務所に相談すれば税理士を紹介してもらえますし、税理士事務所に相談すれば司法書士につないでもらえます。まずは動きやすいところに相談すれば足ります。
判断の目安として、許認可が必要な業種なら行政書士から、税務の設計に迷っているなら税理士から、とにかく登記を済ませたいなら司法書士から。この順で考えると迷いません。
合同会社の会社設立は、株式会社より工程が少なく、書類も限られています。そのぶん依頼する範囲も絞りやすいので、必要な部分だけ頼むという選び方がしやすい形です。
※金額・期限は執筆時点(2026年8月)の制度にもとづく目安です。
出典(解説):比較ビズまとめ|会社設立を司法書士に依頼する報酬・費用/株式会社ワンズマインド
依頼する場合の費用の考え方を解説する

【ここでわかること】
報酬から印紙代4万円を引くと、差が縮まります。
依頼する場合の費用は、事務所によって、また含まれる範囲によって変わります。金額そのものより、何が含まれているかを確認してください。
会社設立の見積もりを比べるときは、次の点をそろえて聞くと比較になります。
| # | 内容 |
|---|---|
| 1 | 登録免許税などの実費が含まれているのか、別なのか。 |
| 2 | 定款の作成が含まれるのか。電子定款になるのか。 |
| 3 | 登記の申請まで含むのか。 |
| 4 | 設立後の税務届出は含まれるのか。 |
| 5 | 顧問契約が前提になっているのか。なっているなら期間と解約の条件はどうか。 |
| 6 | 補正が発生した場合の対応は含まれるのか。 |
報酬が乗っても、電子定款になることで紙の印紙代4万円が不要になります。つまり、報酬から4万円を差し引いた額が、自分で紙の定款を作る場合との実質的な差です。この計算をすると、思ったほど高くないという結論になることもあります。
「手数料0円」の仕組みを確認する
設立代行のなかには、手数料を無料としているものがあります。多くは会計ソフトの契約や税理士の顧問契約とセットになっていて、そちらの継続的な支払いで成り立つ仕組みです。仕組み自体は問題ありませんが、会社設立のときだけを見て安いと判断すると、後の固定費で逆転することがあります。契約期間の縛りと解約の条件を先に確認してください。
時間の価値も計算に入れてください。自分で会社設立の書類を作ると、調べる時間を含めて10時間から20時間ほどかかります。その時間を事業の準備に使えるなら、依頼する価値は金額以上になります。
支払いの時期も確認しておいてください。着手時に全額なのか、登記完了後なのか、分割なのか。会社設立の直後は資金の出入りが多い時期なので、いつ支払うことになるかは把握しておくべき情報です。
逆に、時間はあるが資金が限られているという状況なら、自分でやるほうが合理的です。合同会社の会社設立は工程が少ないので、自力でやりきれる範囲に収まっています。
※金額・期限は執筆時点(2026年8月)の制度にもとづく目安です。
出典(解説):シルク司法書士事務所|会社設立代行の費用/シルク司法書士事務所
事務所の選び方を、会社設立の依頼に即して解説する

【ここでわかること】
実績、対応の速さ、説明の分かりやすさ。この3つを見ます。
どの士業に頼むかが決まったら、次はどの事務所にするかです。判断の材料を挙げます。
| 合同会社の実績があるか | 株式会社の設立が中心の事務所もあります。合同会社に慣れているかを聞いてみてください。 |
|---|---|
| 対応が速いか | 問い合わせへの返答の速さは、その後のやりとりの目安になります。会社設立を急いでいるなら特に重要です。 |
| 説明が分かりやすいか | 専門用語をそのまま使う人より、こちらの理解度に合わせて説明してくれる人のほうが、後々やりやすくなります。 |
| 見積もりが明確か | 何が含まれて何が別料金かをはっきり示してくれるかを見てください。 |
| 設立後も相談できるか | 会社設立は入口にすぎません。その後の変更登記や税務で相談できる関係が作れるかを考えてください。 |
| 他の士業と連携しているか | 登記・税務・許認可をまたぐ場面で、紹介してもらえると助かります。 |
初回の相談を無料にしている事務所もあります。複数に相談して、話しやすい人を選ぶという方法もあります。会社設立は一度きりの手続きですが、その後も長く付き合うことになる相手なので、相性は無視できません。
また、商工会議所や自治体の創業支援窓口でも相談を受けられます。無料で、地域の制度にも詳しいので、まず相談してみる価値があります。専門家を紹介してもらえることもあります。
相談に行くときは、決まっていることと決まっていないことを整理して持って行くと、話が早く進みます。商号の候補、本店にする予定の場所、やろうとしている事業、資本金の目安、いつまでに設立したいか。この5点を伝えられれば、その場で具体的な助言が返ってきます。何も決まっていない状態で「どうすればいいですか」と聞くより、はるかに実のある相談になります。
合同会社の会社設立を扱ったことがあるかは、必ず聞いてください。株式会社と手続きが違う部分があるので、慣れているかどうかでやりとりの手間が変わります。
※金額・期限は執筆時点(2026年8月)の制度にもとづく目安です。
出典(解説):リーパル会計事務所|会社設立を司法書士に依頼するメリット/リーパル会計事務所
まとめ|合同会社の会社設立で誰に頼むか

【ここでわかること】
登記は司法書士、許認可は行政書士、税務は税理士。
この解説の内容をまとめます。
| # | 内容 |
|---|---|
| 1 | 登記の申請を報酬を得て代理できるのは、司法書士と弁護士に限られます。 |
| 2 | 行政書士は定款の作成と許認可の申請を扱えますが、登記の代理はできません。 |
| 3 | 税理士は税務の届出と申告を扱います。設立前の設計相談にも価値があります。 |
| 4 | 設立代行サービスの多くは、複数の士業が連携して成り立っています。 |
| 5 | 依頼すると電子定款になることが多く、紙の印紙代4万円が不要になります。 |
| 6 | 見積もりは、含まれる範囲をそろえて比べてください。手数料0円の仕組みも確認します。 |
| 7 | 事務所は、合同会社の実績・対応の速さ・説明の分かりやすさで選びます。 |
誰に頼むかは、何を任せたいかで決まります。合同会社の会社設立は工程が少ないので、必要な部分だけを頼むという選び方がしやすい形です。まずはどこか一つに相談してみて、そこから広げていってください。
※金額・期限は執筆時点(2026年8月)の制度にもとづく目安です。
出典(解説):マネーフォワード クラウド会社設立|合同会社の設立代行のおすすめは?/株式会社マネーフォワード
他にもこのようなサイトで検索されていますので、ぜひ見てください
並べた順番は優劣ではありません。どれが上ということはなく、合同会社の会社設立を別の角度から解説しているページを集めています。
外国人が法人を作る場合に、2つの形態のどちらを選ぶかを比較しています。
【最後に】
誰に頼むかは、何を任せたいかで決まります。登記だけなら司法書士、許認可も含めるなら行政書士、税務まで見てほしいなら税理士。ただし多くの事務所は連携しているので、どこか一つに相談すれば適切な相手につないでもらえます。まずは動きやすいところに相談してみてください。
この解説は役に立ちましたか?
合同会社の会社設立について、ほかに知りたいことがあれば下のフォームからどうぞ。




