合同会社の税務署への届出。会社設立後に出す書類と期限を解説
合同会社commit 合同会社FIELD共同編集部が編集しています。合同会社FIELDの関連会社である会計事務所および税理士法人と内容を確認しながら執筆しました。金額や期限は執筆時点のものです。

この解説は、合同会社の会社設立の登記が終わって、税務署への届出をしようとしている人に向けています。出す書類が複数あり、しかもそれぞれ期限が違うので、何から手をつければよいのか分かりにくいところです。ここでは期限の順に並べ、それぞれ何のための書類なのかを説明しました。まだ登記の前の人が、あらかじめ準備する用途にも使えます。
税務署へ出す書類の全体像を、会社設立後の順で解説する

【ここでわかること】
必ず出すもの、選択のために出すもの、該当すれば出すもの。
合同会社の会社設立が終わったら、所轄の税務署へ届出をします。書類は複数あり、性質によって3つに分けられます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 必ず出すもの | 法人設立届出書です。法人を設立したことを知らせる書類で、提出しないという選択肢はありません。 |
| 選択のために出すもの | 青色申告の承認申請書です。出さなければ白色申告になります。期限を過ぎると1期目は取り戻せません。 |
| 該当すれば出すもの | 給与支払事務所等の開設届出書、源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書、各種の評価方法・償却方法の届出書などです。 |
所轄の税務署は、本店の所在地によって決まります。国税庁のサイトで住所から調べられます。会社設立の前に確認しておくと、登記が終わってすぐ動けます。
提出の方法は、窓口へ持参する、郵送する、e-Taxで送信するの3つです。控えが必要な場合は、郵送なら返信用封筒を同封し、窓口なら控えを持参して受付印をもらいます。金融機関の手続きで控えの提示を求められることがあるので、必ず手元に残してください。
期限は「設立の日」から数える
届出の期限は、登記が完了した日ではなく、会社の設立の日から数えます。設立の日は登記を申請した日です。登記の完了を待っているあいだにも日数は進んでいます。合同会社の会社設立では登記が早く終わることが多いので、そのぶん期限の起点も早く来ます。
※金額・期限は執筆時点(2026年8月)の制度にもとづく目安です。
出典(一次情報):国税庁|No.5100 新設法人の届出書類/国税庁
法人設立届出書を、会社設立後の必須手続きとして解説する

【ここでわかること】
設立の日以後2か月以内。定款の写しなどを添付します。
法人設立届出書は、法人を設立したことを税務署に知らせる書類です。内国法人である普通法人を設立した場合、設立の日以後2か月以内に提出します。
書く内容は、商号、本店の所在地、法人番号、代表者の氏名と住所、設立の年月日、事業年度、資本金の額、事業の目的などです。多くは登記事項証明書と定款から写せる内容なので、手元に置きながら埋めていけます。
| 提出先 | 本店の所在地を所轄する税務署です。 |
|---|---|
| 期限 | 設立の日以後2か月以内です。 |
| 添付書類 | 定款、寄附行為、規則または規約等の写しです。合同会社なら定款の写しになります。 |
| 手数料 | かかりません。 |
| 提出方法 | 窓口・郵送・e-Taxのいずれでも構いません。 |
合同会社の定款は公証人の認証を受けていないので、株式会社のような認証済みの謄本は存在しません。会社に保存している定款をコピーして提出します。必要に応じて「原本と相違ない」旨を付記し、代表社員が記名押印する形にします。
合同会社の会社設立では、株式会社に比べて添付する書類が少なくて済みます。定款認証を受けていないため、認証済み定款の謄本という概念がなく、会社に保存している定款のコピーで足りるからです。この点は税務署の窓口でも理解されているので、説明に困ることはありません。
法人番号は、登記が完了すると国税庁から通知されます。国税庁の法人番号公表サイトで検索することもできます。会社設立の直後は通知が届いていないこともあるので、その場合はサイトで調べて記入してください。
設立の日を間違えないこと
設立の日は、登記を申請した日です。登記が完了した日ではありません。登記事項証明書の「会社成立の年月日」に記載されている日付がそれにあたります。ここを間違えると期限の計算も狂うので、証明書を見ながら確認してください。
※金額・期限は執筆時点(2026年8月)の制度にもとづく目安です。
出典(一次情報):国税庁|C1-4 内国普通法人等の設立の届出/国税庁
青色申告の承認申請書を、会社設立後の重要手続きとして解説

【ここでわかること】
1期目から受けたいなら、期限を過ぎてはいけません。
税務署へ出す書類のなかで、期限を逃すと取り返しがつかないのがこれです。
法人が青色申告をするには、事前に税務署へ申請して承認を受ける必要があります。設立の日の属する事業年度から青色申告の承認を受けようとする場合、提出期限は、設立の日以後3か月を経過した日と、当該事業年度終了の日とのうち、いずれか早い日の前日までとされています。
つまり、事業年度の終わりが設立から3か月より早く来る場合は、そちらが期限になるということです。会社設立の日と決算期の組み合わせによって期限が変わるので、自分の場合の日付を計算してください。

| 項目 | 数字 | 前提 |
|---|---|---|
| 原則 | 3か月 | 設立の日以後3か月を経過した日の前日 |
| 事業年度末が早い場合 | 期末の前日 | いずれか早い日の前日まで |
| 提出先 | 所轄税務署 | 本店の所在地による |
| 手数料 | 0円 | 申請に費用はかかりません |
※金額と期限は執筆時点(2026年8月)の制度にもとづく目安です。最新の取扱いは所管官庁でご確認ください。
青色申告には、白色申告にはない扱いがあります。欠損金の繰越控除、少額減価償却資産の特例、各種の特別償却や税額控除など、適用を受けられる制度が増えます。会社設立の初期は赤字になることも多いので、欠損金を繰り越せるかどうかは大きな違いになります。
その代わり、青色申告をするには帳簿を備え付けて記録し、保存する必要があります。複式簿記による記帳が求められるため、会計ソフトを使うか税理士に頼むのが現実的です。合同会社の会社設立の直後に会計の仕組みを決めておくよう勧めるのは、この点も理由の一つです。
※金額・期限は執筆時点(2026年8月)の制度にもとづく目安です。
出典(一次情報):国税庁|C1-19 青色申告書の承認の申請/国税庁
給与に関する届出を、会社設立後の手続きとして解説する

【ここでわかること】
役員報酬を払うなら必要です。源泉徴収の義務が生じます。
役員報酬や給与を支払う場合、税務署への届出が必要になります。代表社員が自分ひとりでも、自分に役員報酬を払うなら該当します。
給与支払事務所等の開設届出書
給与の支払いをする事務所を開設したことを知らせる書類です。開設の日から1か月以内に提出します。会社設立と同時に役員報酬を払う場合は、設立の日が開設の日になります。
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
源泉徴収した所得税は、原則として翌月10日までに納付します。ただし給与の支給人員が常時10人未満である場合、この申請をすると、納付を年2回にまとめられます。1月から6月分を7月10日まで、7月から12月分を翌年1月20日までという形です。
会社設立の直後で人数が少ない場合、毎月の納付は手間になります。この特例を使えば作業が年2回で済むので、多くの小規模な会社が申請しています。
納期の特例は資金繰りにも影響する
納期の特例を使うと、源泉徴収した税金を半年分まとめて納めることになります。手続きは楽になりますが、納付の月にはまとまった金額が出ていきます。預かっているお金だという意識を持って、使ってしまわないよう管理してください。会社設立の直後は資金に余裕がないことが多いので、特に注意が必要です。
役員報酬そのものについても触れておきます。役員報酬は、原則として事業年度開始の日から3か月以内に決めて、その事業年度中は同じ額を払い続けます。期の途中で自由に変えることはできません。会社設立の直後は売上の見通しが立てにくい時期ですが、生活費と社会保険料の両方を見て決めてください。
| # | このセクションで扱うこと |
|---|---|
| 1 | 給与支払事務所等の開設届出書 |
| 2 | 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書 |
※金額・期限は執筆時点(2026年8月)の制度にもとづく目安です。
出典(一次情報):国税庁|No.2110 事業主が納付する源泉所得税の納期の特例/国税庁
そのほかの届出を、会社設立の状況に応じて解説する

【ここでわかること】
該当する場合に出すものです。出さなければ法定の扱いになります。
必須ではありませんが、選択をするために出す届出があります。出さない場合は法律で定められた方法が適用されます。
| # | やること | 内容 |
|---|---|---|
| 1 | 棚卸資産の評価方法の届出書 | 在庫の評価方法を選ぶ場合に提出します。出さない場合は最終仕入原価法による原価法が適用されます。 |
| 2 | 減価償却資産の償却方法の届出書 | 償却方法を選ぶ場合に提出します。出さない場合は法定の償却方法が適用されます。 |
| 3 | 有価証券の一単位当たりの帳簿価額の算出方法の届出書 | 有価証券を保有する場合に該当します。 |
| 4 | 消費税に関する各種の届出 | 課税事業者を選択する場合や、簡易課税制度を選ぶ場合などに提出します。 |
| 5 | 適格請求書発行事業者の登録申請 | インボイスを発行する事業者になる場合に提出します。 |

| 届出 | 期限 | 提出先 |
|---|---|---|
| 法人設立届出書 | 設立から2か月以内 | 所轄の税務署 |
| 青色申告の承認申請書 | 3か月と事業年度末の早い方 | 所轄の税務署 |
| 給与支払事務所等の開設届出書 | 開設から1か月以内 | 所轄の税務署 |
| 源泉所得税の納期の特例 | 適用を受けたい月の前月まで | 所轄の税務署 |
※金額と期限は執筆時点(2026年8月)の制度にもとづく目安です。最新の取扱いは所管官庁でご確認ください。
会社設立の直後にすべてを判断するのは難しいので、まずは法人設立届出書と青色申告の承認申請書を出しておき、残りは必要に応じて検討するという進め方でも構いません。ただし消費税とインボイスについては、判断を先送りすると不利になることがあるので、早めに確認してください。
消費税の扱いは制度が細かく、改正も入りやすい領域です。資本金の額、特定期間の課税売上高、給与支払額など、複数の判定基準があります。合同会社の会社設立で資本金を1000万円以上にした場合は、設立1期目から課税事業者になります。自分の場合にどうなるかは、税理士か税務署に確認するのが確実です。
インボイスについては、取引先が課税事業者かどうかによって判断が変わります。相手が仕入税額控除を受けるためにインボイスを求めるなら、登録を検討することになります。逆に一般消費者を相手にする商売なら、急いで登録する必要はないかもしれません。
※金額・期限は執筆時点(2026年8月)の制度にもとづく目安です。
出典(解説):保田会計事務所|青色申告承認申請の概要と書き方/保田会計事務所
届出書の書き方と提出のしかたを解説する

【ここでわかること】
登記事項証明書と定款を見ながら埋めていきます。
届出書の様式は、国税庁のサイトからダウンロードできます。税務署の窓口にも置いてあります。
書く内容の多くは、登記事項証明書と定款から写せます。商号、本店、法人番号、代表社員の氏名と住所、設立年月日、事業年度、資本金の額、事業の目的。これらを手元に置いて埋めていけば、迷う場面は限られます。
| # | 内容 |
|---|---|
| 1 | 国税庁のサイトから様式をダウンロードするか、税務署でもらいます。 |
| 2 | 登記事項証明書と定款を見ながら、必要事項を記入します。 |
| 3 | 添付書類(定款の写しなど)を用意します。 |
| 4 | 控えを取ります。窓口なら控えにも受付印をもらいます。 |
| 5 | 提出します。窓口・郵送・e-Taxのいずれでも構いません。 |
郵送する場合は、控えと返信用封筒(切手を貼ったもの)を同封します。受付印を押した控えを返送してもらえます。この控えは、金融機関の手続きなどで求められることがあるので、必ず取っておいてください。
e-Taxを使う場合は、事前に利用者識別番号の取得と電子証明書の準備が必要です。会社設立の登記をオンラインで申請した人なら、電子証明書の環境はすでにあるはずです。ただし法人としての電子証明書が別途必要になる場合があるので、確認してください。
書き方に迷ったら税務署で聞く
税務署の窓口では、届出書の書き方を教えてもらえます。無料で、予約が要らないことも多いので、迷ったら聞くのがいちばん早い方法です。合同会社の会社設立に関する届出は、税務署にとって日常的に扱っている内容なので、丁寧に答えてもらえます。
※金額・期限は執筆時点(2026年8月)の制度にもとづく目安です。
出典(解説):会社設立後のお助け隊|青色申告承認申請書の書き方/会社設立後のお助け隊
都道府県と市町村への届出も、あわせて解説する

【ここでわかること】
地方税の届出です。税務署とは別に必要になります。
税務署への届出だけでは足りません。地方税の届出を、都道府県税事務所と市町村役場に出す必要があります。
法人には、法人事業税と法人住民税がかかります。法人事業税と法人住民税の都道府県分は都道府県税事務所へ、法人住民税の市町村分は市町村役場へ届け出ます。
様式の名称も期限も自治体によって違います。「法人設立届出書」「事業開始等申告書」など呼び方が異なり、期限も設立から15日以内、1か月以内、2か月以内とばらつきがあります。本店を置く自治体のサイトで必ず確認してください。
東京23区内に本店を置く場合は、法人住民税の市町村分にあたるものも都が課税するため、都税事務所への届出だけで足ります。区役所への届出は不要です。地域によって扱いが変わるので、会社設立の前に確認しておいてください。
添付する書類は、登記事項証明書と定款の写しが一般的です。税務署へ出すものとほぼ同じなので、まとめて準備すると効率的です。合同会社の会社設立の直後に登記事項証明書を複数通取っておくよう勧めるのは、こうした事情があるからです。
税務署への届出と地方税の届出は、内容がよく似ています。同じ情報を何度も書くことになるので、会社設立の基本情報を1枚のメモにまとめておくと作業が速くなります。商号、本店、法人番号、設立年月日、事業年度、資本金の額、代表社員の氏名と住所。この7つがあれば、たいていの欄は埋まります。
なお、赤字であっても法人住民税の均等割はかかります。所得がゼロでも、法人であるだけで毎年支払う税金です。金額は自治体と資本金等の額、従業員数の区分によって決まります。会社設立の予算を組むときは、これも見込んでおいてください。
| # | 要点 |
|---|---|
| 1 | 税務署への届出だけでは足りません。地方税の届出を、都道府県税事務所と市町村役場に出す必要があります。… |
| 2 | 法人には、法人事業税と法人住民税がかかります。法人事業税と法人住民税の都道府県分は都道府県税事務所へ、法人住民税の市町村… |
| 3 | 様式の名称も期限も自治体によって違います。「法人設立届出書」「事業開始等申告書」など呼び方が異なり、期限も設立から15日… |
| 4 | 東京23区内に本店を置く場合は、法人住民税の市町村分にあたるものも都が課税するため、都税事務所への届出だけで足ります。区… |
※金額・期限は執筆時点(2026年8月)の制度にもとづく目安です。
出典(一次情報):J-Net21(中小機構)|起業マニュアル/独立行政法人中小企業基盤整備機構
まとめ|合同会社の会社設立後の税務届出を整理する

【ここでわかること】
法人設立届出書は2か月、青色申告は3か月と期末の早い方。
この解説の内容を、期限の順に整理します。
| # | 内容 |
|---|---|
| 1 | 設立から1か月以内:給与を支払う場合、給与支払事務所等の開設届出書を出します。 |
| 2 | 設立から2か月以内:法人設立届出書を出します。定款の写しを添付します。 |
| 3 | 設立から3か月と事業年度末の早い方:青色申告の承認申請書を出します。1期目から受けたいなら必ず期限内に。 |
| 4 | 自治体の定める期限内:都道府県税事務所と市町村へ地方税の届出を出します。 |
| 5 | 必要に応じて:源泉所得税の納期の特例、棚卸資産の評価方法、減価償却資産の償却方法などを届け出ます。 |
| 6 | 早めに検討:消費税とインボイスの扱いを確認します。判断を先送りすると不利になることがあります。 |
期限はすべて会社の設立の日から数えます。設立の日は登記を申請した日です。合同会社の会社設立は登記までが短く済むぶん、届出の期限も早く来ます。証明書を手にしたらすぐ動きはじめてください。
書き方に迷ったら、税務署の窓口で聞くのが確実です。無料で教えてもらえますし、その場で提出まで済ませられます。合同会社の会社設立に関する届出は、税務署にとって日常的な業務なので、遠慮なく相談してください。
※金額・期限は執筆時点(2026年8月)の制度にもとづく目安です。
出典(一次情報):国税庁|No.5100 新設法人の届出書類/国税庁
他にもこのようなサイトで検索されていますので、ぜひ見てください
掲載順は優劣ではありません。順位づけではないので、気になる見出しのものから見てください。合同会社の会社設立の理解が進みます。
【最後に】
税務署への届出は、出しておけば済むものと、出さないと選択肢を失うものに分かれます。青色申告の承認申請書は後者です。期限を過ぎると1期目は白色申告になり、取り戻せません。カレンダーに入れて、期限より前に出してしまってください。書き方が分からないときは、税務署の窓口で聞けば教えてもらえます。
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