副業・サラリーマン・外国人の合同会社。ケース別の会社設立を解説
合同会社commit 合同会社FIELD共同編集部が編集しています。合同会社FIELDの関連会社である会計事務所および税理士法人と内容を確認しながら執筆しました。金額や期限は執筆時点のものです。

この解説は、通常とは少し違う立場で合同会社をつくろうとしている人に向けています。会社員として働きながら副業の受け皿として法人を持ちたい人、日本に住む外国人として会社をつくりたい人、海外に住みながら日本に法人を持ちたい人。それぞれの立場で確認すべき点をまとめました。当てはまる項目だけを読んでも構いません。
会社員のまま合同会社をつくれるかを解説する

【ここでわかること】
法律上は可能です。確認すべきは勤務先の規程です。
会社員として働きながら、自分の合同会社を持つことは法律上できます。会社法に、他社に雇われている人が会社をつくれないという定めはありません。
確認すべきなのは、勤務先の就業規則です。副業を禁止している、あるいは許可制にしている会社があります。役員に就任することを制限している場合もあります。会社設立の前に、必ず自社の規程を確認してください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 副業が禁止されている場合 | 規程に違反すると処分の対象になり得ます。会社設立の前に人事に確認するのが確実です。 |
| 許可制の場合 | 申請して許可を得てから進めます。会社の代表社員になることをどう扱うかは会社によります。 |
| 競業避止義務 | 勤務先と競合する事業をすると、規程や契約に違反することがあります。事業目的の決め方にも影響します。 |
| 勤務時間中の活動 | 勤務先の時間や設備を使って自分の会社の仕事をするのは、当然に問題になります。 |
代表社員の氏名と住所は登記され、誰でも見られる状態になります。勤務先に知られたくない場合、この点は避けられません。会社設立の前に、隠し通せるものではないという前提で判断してください。
住民税から知られることがある
役員報酬を受け取ると、その分が住民税の計算に反映されます。住民税を給与から天引きしている場合、勤務先が金額の変化に気づくことがあります。報酬を受け取らない、あるいは普通徴収を選ぶといった方法がありますが、確実に隠せるわけではありません。会社設立の前に、勤務先の規程を確認しておくのがいちばんです。
※金額・期限は執筆時点(2026年8月)の制度にもとづく目安です。
出典(解説):小谷野税理士法人|サラリーマンが合同会社の設立で節税できる理由/小谷野税理士法人
副業として会社をつくる場合の設計を解説する

【ここでわかること】
報酬を取るか取らないか。社会保険の扱いが変わります。
副業として合同会社をつくる場合、役員報酬をどうするかが設計の中心になります。
報酬を受け取ると、社会保険の扱いが問題になります。勤務先ですでに健康保険と厚生年金に加入しているところに、自分の会社からも報酬を受け取ると、二以上事業所勤務という扱いになることがあります。この場合、届出をして保険料を按分する手続きが必要になります。
| 報酬をゼロにする | 会社に利益を残す形です。社会保険の問題は起きにくくなりますが、会社のお金を個人が使うことはできません。 |
|---|---|
| 報酬を受け取る | 会社の経費になりますが、個人の所得が増え、社会保険の届出が必要になることがあります。 |
| 会社に利益を貯める | 法人税はかかりますが、個人の所得は増えません。将来、独立するときの資金にできます。 |
| 経費として使う | 事業に必要な支出は会社の経費にできます。ただし実態を伴わない支出は否認されます。 |

| 項目 | 数字 | 前提 |
|---|---|---|
| 登録免許税 | 6万円 | 合同会社の設立登記の最低額 |
| 均等割 | 赤字でも毎年 | 法人であるだけでかかる |
| 役員報酬を決める期限 | 3か月 | 事業年度開始の日から |
| 社会保険 | 強制適用 | 法人は人数にかかわらず |
※金額と期限は執筆時点(2026年8月)の制度にもとづく目安です。最新の取扱いは所管官庁でご確認ください。
副業の規模が小さいうちは、法人をつくるメリットが出ないこともあります。会社設立の費用がかかり、赤字でも法人住民税の均等割がかかり、決算と申告の手間も増えます。これらを上回る理由があるかを確認してください。
理由として多いのは、取引先が法人としか契約しない、社会的な信用がほしい、いずれ独立するための準備、といったものです。税金だけを理由に会社設立をすると、思ったほどの効果が出ないことがあります。
均等割は赤字でもかかる
副業の売上が少なくても、法人である以上、法人住民税の均等割は毎年かかります。金額は自治体と資本金等の額によります。副業のために合同会社の会社設立をするなら、この固定費を上回る効果があるかを先に計算してください。
※金額・期限は執筆時点(2026年8月)の制度にもとづく目安です。
出典(解説):小谷野税理士法人|サラリーマンが合同会社の設立で節税できる理由/小谷野税理士法人
外国人が日本で合同会社をつくる場合を解説する

【ここでわかること】
会社設立自体は可能です。在留資格の確認が要ります。
外国人が日本で合同会社をつくることはできます。国籍による制限はありません。ただし、在留資格との関係を確認する必要があります。
日本に住んでいる外国人が会社を経営するには、その活動が認められた在留資格を持っている必要があります。永住者や日本人の配偶者等など、活動に制限のない在留資格であれば問題になりません。就労の内容が限定された在留資格の場合は、経営に従事できるかを確認することになります。
| # | やること | 内容 |
|---|---|---|
| 1 | 在留資格を確認する | いま持っている在留資格で会社の経営ができるかを確認します。判断に迷う場合は入管や行政書士に相談してください。 |
| 2 | 必要なら在留資格の変更を検討する | 経営・管理という在留資格があります。取得には要件があり、審査にも時間がかかります。 |
| 3 | 印鑑証明書またはサイン証明を用意する | 日本に住民登録があり印鑑登録をしていれば印鑑証明書を使えます。ない場合は本国の官憲によるサイン証明などで代替することがあります。 |
| 4 | 会社設立の手続きを進める | 定款の作成、出資金の払い込み、登記の申請という流れは日本人の場合と同じです。 |
| 5 | 外国為替及び外国貿易法の届出を確認する | 対内直接投資に該当する場合、報告や届出が必要になることがあります。 |
手続きの流れは日本人が会社設立をする場合と変わりません。定款を作り、出資金を払い込み、登記を申請する。合同会社なら定款認証も不要です。
違いが出るのは本人確認の部分です。印鑑証明書は、日本に住民登録をして印鑑登録をしていれば取得できます。それがない場合、本国の官憲が発行するサイン証明(署名証明)などで代替する扱いになることがあります。管轄の法務局に事前に確認してください。
在留資格の判断は個別性が高く、間違えると重大な結果を招きます。合同会社の会社設立を進める前に、入管に問い合わせるか、入管業務を扱う行政書士に相談することを強くおすすめします。
※金額・期限は執筆時点(2026年8月)の制度にもとづく目安です。
出典(解説):第一綜合事務所|外国人が会社設立を日本で行う方法/行政書士法人第一綜合事務所
経営・管理の在留資格との関係を解説する

【ここでわかること】
要件があります。会社設立の設計に影響します。
日本で事業を経営するための在留資格として、経営・管理があります。この資格を取得するには要件を満たす必要があり、その要件が会社設立の設計に影響します。
要件の詳細は出入国在留管理庁が定めており、事業所の確保、事業の規模、事業の安定性・継続性などが審査されます。これらの要件は改正されることがあるので、必ず最新の情報を確認してください。
| # | 内容 |
|---|---|
| 1 | 事業を行う事務所が日本に確保されていることが求められます。 |
| 2 | 事業の規模について基準が定められています。 |
| 3 | 事業の安定性・継続性を示す事業計画書などが求められます。 |
| 4 | これらの要件は制度改正の対象になり得ます。最新の内容を出入国在留管理庁で確認してください。 |
要件は変わる。最新情報を必ず確認する
経営・管理の在留資格の要件は、制度改正によって変更されることがあります。インターネット上には古い情報も残っているので、それを前提に会社設立を進めると要件を満たさない可能性があります。出入国在留管理庁の公式の案内を確認し、入管業務を扱う行政書士に相談してください。この記事の内容も、執筆時点のものです。
事務所の確保という要件があるため、バーチャルオフィスを本店にすると要件を満たさないことがあります。合同会社の会社設立で費用を抑えたいという理由からバーチャルオフィスを選ぶ人がいますが、在留資格を取る予定があるなら慎重に判断してください。
また、会社設立と在留資格の申請には順番があります。どちらを先に進めるかは状況によって変わります。専門家に相談して、自分の場合の段取りを確認するのが確実です。
※金額・期限は執筆時点(2026年8月)の制度にもとづく目安です。
出典(解説):会社設立JAPAN|合同会社設立の流れ(外国人)/会社設立JAPAN
海外に住みながら日本の合同会社をつくる場合を解説する

【ここでわかること】
本人確認と払い込みの方法が課題になります。
海外に住んでいる人が、日本に合同会社をつくることもできます。ただし、いくつか実務上の課題があります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 本人確認の書類 | 日本に住民登録がないと印鑑証明書を取れません。本国の官憲によるサイン証明などで代替する扱いになります。 |
| 出資金の払い込み | 日本国内の口座に払い込む必要があります。日本に口座を持っていない場合、どうするかを検討することになります。 |
| 本店の確保 | 日本国内に本店を置く必要があります。事務所を借りるか、協力者の住所を使うかといった検討が要ります。 |
| 設立後の手続き | 税務署や年金事務所への届出、法人口座の開設など、日本国内での作業が続きます。 |
出資金の払い込みについては、代表社員が日本に口座を持っていない場合、どう対応するかが問題になります。以前は取扱いが厳しかったのですが、現在は一定の条件のもとで対応できる場合があります。管轄の法務局に事前に確認してください。
現実的な進め方としては、日本に住む協力者を代表社員に立てる、あるいは司法書士に手続きを依頼するといった方法があります。合同会社の会社設立の登記の申請は、報酬を得て代理できるのが司法書士と弁護士に限られるため、依頼するならこの2つのいずれかになります。
設立後の運営も考えておく必要があります。法人口座の開設、税務申告、社会保険。いずれも日本国内で行う手続きです。海外に住みながら日本の法人を運営するには、日本側で対応してくれる人か専門家が必要になります。
先に専門家に相談する
海外在住での会社設立は、書類の代替方法や払い込みの扱いなど、個別に確認すべき点が多くなります。自分で調べて進めようとすると、法務局とのやりとりだけで相当の時間を使います。最初から司法書士や行政書士に相談したほうが、結果的に早く安く済むことが多いでしょう。
※金額・期限は執筆時点(2026年8月)の制度にもとづく目安です。
出典(解説):神山行政書士事務所|外国人の会社設立は株式会社と合同会社どちらが有利?/神山行政書士事務所
どのケースでも共通する会社設立の注意点を解説する

【ここでわかること】
手続き自体は同じ。変わるのは前後の確認です。
立場が違っても、合同会社の会社設立の手続きそのものは変わりません。基本事項を決めて、定款を作り、出資金を払い込み、登記を申請する。この流れは同じです。
変わるのは、その前後で確認すべきことです。会社員なら勤務先の規程、外国人なら在留資格、海外在住なら本人確認の方法。この確認を先に済ませておけば、あとは通常どおりに進みます。

| 立場 | 先に確認すること | 相談先 |
|---|---|---|
| 会社員・副業 | 勤務先の就業規則 | 人事部門 |
| 外国人(日本在住) | 在留資格で経営できるか | 入管・行政書士 |
| 海外在住 | 本人確認と払い込みの方法 | 法務局・司法書士 |
| 法人成り | 許認可の取り直しの要否 | 所管官庁 |
※金額と期限は執筆時点(2026年8月)の制度にもとづく目安です。最新の取扱いは所管官庁でご確認ください。
また、どのケースでも共通して効いてくるのが、社会保険と均等割です。法人は人数にかかわらず健康保険と厚生年金の強制適用ですし、赤字でも法人住民税の均等割はかかります。
副業で小さく始める場合、これらの固定費が事業の規模に見合わないことがあります。会社設立をする理由が明確でないなら、まず個人事業として始めて、規模が大きくなってから法人化するという順番も検討してください。
逆に、取引先から法人であることを求められている、在留資格の要件として必要、といった明確な理由があるなら、迷わず進めて構いません。合同会社なら会社設立の費用も手間も抑えられます。
※金額・期限は執筆時点(2026年8月)の制度にもとづく目安です。
出典(一次情報):J-Net21(中小機構)|合同会社の設立手続き/独立行政法人中小企業基盤整備機構
専門家に相談すべき場面を、ケース別に解説する

【ここでわかること】
判断を誤ると影響が大きい場面があります。
自分で調べて進められる部分と、専門家に相談したほうがよい部分があります。ケース別に整理します。
| 在留資格に関すること | 入管業務を扱う行政書士、または出入国在留管理庁に相談してください。判断を誤ると在留資格そのものに影響します。 |
|---|---|
| 海外在住での手続き | 司法書士に相談してください。本人確認の代替方法や払い込みの扱いは、個別の確認が必要です。 |
| 勤務先との関係 | まず勤務先の人事に確認してください。規程の解釈は会社ごとに違います。 |
| 税務の設計 | 税理士に相談してください。役員報酬の設定、社会保険との関係、消費税の判定など、金額の組み合わせで最適な形が変わります。 |
| 許認可が必要な事業 | 所管官庁または行政書士に相談してください。要件を満たさない形で会社設立をすると、やり直しになります。 |
相談するときは、自分の状況を整理してから行くと話が早く進みます。いまの立場、やろうとしている事業、想定している規模、いつまでに始めたいか。この4点を伝えられれば、具体的な助言が返ってきます。
費用が気になる場合、初回の相談を無料にしている事務所もあります。商工会議所や自治体の創業支援窓口でも、無料の相談を受けられることがあります。合同会社の会社設立を考えはじめた段階で、一度どこかに相談しておくと方向が定まります。
なお、登記の申請を報酬を得て代理できるのは司法書士と弁護士に限られます。行政書士は定款の作成や許認可の申請、入管への申請取次を扱います。税理士は税務の届出と申告を扱います。誰に何を頼めるかは、専門家・設立代行のカテゴリーで詳しく解説しています。
※金額・期限は執筆時点(2026年8月)の制度にもとづく目安です。
出典(解説):第一綜合事務所|外国人が会社設立を日本で行う方法/行政書士法人第一綜合事務所
まとめ|ケース別の合同会社の会社設立

【ここでわかること】
手続きは同じ。事前の確認だけが違います。
この解説の内容をまとめます。
| # | 内容 |
|---|---|
| 1 | 会社員のまま会社をつくることは法律上できます。確認すべきは勤務先の就業規則です。 |
| 2 | 代表社員の氏名と住所は登記され、公開されます。隠し通せるものではありません。 |
| 3 | 副業で会社をつくる場合、役員報酬をどうするかで社会保険の扱いが変わります。 |
| 4 | 赤字でも法人住民税の均等割はかかります。副業の規模に見合うかを確認してください。 |
| 5 | 外国人が日本で会社をつくることはできます。在留資格で経営ができるかを確認します。 |
| 6 | 経営・管理の在留資格には要件があり、制度改正の対象にもなります。最新情報を確認してください。 |
| 7 | 海外在住の場合、本人確認と払い込みの方法が課題になります。事前に法務局に確認します。 |
どの立場でも、合同会社の会社設立の手続きそのものは同じです。定款認証がないぶん、株式会社より軽く済みます。変わるのは事前の確認だけなので、そこを済ませてから通常の流れに乗ってください。
※金額・期限は執筆時点(2026年8月)の制度にもとづく目安です。
出典(解説):マネーフォワード クラウド会社設立|合同会社とは?/株式会社マネーフォワード
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掲載順は優劣ではありません。並び順に意味はなく、いずれも合同会社の会社設立を調べるときに参考になるページとして挙げています。
外国人が法人を作る場合に、2つの形態のどちらを選ぶかを比較しています。
一人で進める前提で手順を組み直してあり、代表社員が自分だけの場合に読みやすいです。
【最後に】
どの立場であっても、合同会社の会社設立の手続きそのものは変わりません。変わるのは、その手前と後で確認すべきことです。会社員なら勤務先の規程、外国人なら在留資格、海外在住なら本人確認の方法。この確認を先に済ませておけば、あとは通常どおりに進みます。判断に迷う点があれば、専門家に聞いてから動いてください。
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